浅葉のワーフリ日誌09:それが君の願いなら

人は、ガチャを引かない理由を探して生きている。これは即戦力ではない、好みではない。いわゆるJINKENキャラクターではないとか、様々な情報をもとに、”ガチャを引かない”という選択を下すのだ。かくいうおれも『ワーフリ』において、限定キャラである浴衣ネフティムを入手したものの、男キャラクターの浴衣レオンについては、引かない理由を探し求め、インターネット上を彷徨っていた。

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そして情報収集だけに飽き足らず、SNSのアンケート機能を使って、浴衣レオンを引くべきかどうかなどを問ってみたりした。浴衣レオンというタイトルで、「明らかに強い、取るべき」、「性能的に様子見してもよい」、「なんでもいいから取れ」というアンケートを行ってみたのだ。

 このアンケートの「なんでもいいから取れ」は、ガチャ煽りモンスターどもを封じ込めるための囮の選択肢である。これを選んでくる刹那的なガチャ煽りモンスターの意見はとりあえず無視するとして、注目すべきは「明らかに強い、取るべき」と「性能的に様子見してもよい」のアンケート結果だ。若干ではあるが「性能的に様子見してもよい」という意見が目立つ、ガチャ煽りモンスターの中に「明らかに強い、取るべき」に投票した者もいるとしたら、おれの周りの『ワーフリ』プレイヤーの浴衣レオンへの評価は「性能的に様子見してもよい」というところなのだろう。
もちろん、過去の記事で書いたように『ワーフリ』は実装当時は微妙な評価でも、後から追加されたキャラや武器、育成要素との組み合わせでいきなりJINKENになることもある。さらに深読みすると、「性能的に様子見してもよい」と選んだプレイヤーの中には、おれにこの機会で取得させないよう促し、後からJINKENと判明した瞬間に、「持っておらず?あの時引いてないんですか。かーっ」みたいな煽りを入れてくる卑劣な計画を練っている輩もいるかもしれないが、おれは善人なのでとりあえずこのアンケート結果を受け止め「性能的に様子見してもよい」という声に従うことにした。
そう決めたら一気に安らぎが訪れた。おれはトマトジュースを飲みながら、入手した浴衣ネフティムの個別ストーリーを眺める。至福の時間だ。命令を受けることでしか動けなかったネフティムが自分の意思を見せ、仲間たちと一緒にいる間に身につけた彼女なりの良心に従って行動する姿は泣きゲーレベルにぐっと来る。おれはこれからもネフティムを支えていく。そう誓いながら読み進めると、ネフティムの台詞がひとつひとつ体の奥底へと染みこんでいく。

 

自らの意思に目覚めた彼女は願った。

『夏の風物詩を満喫すること。』……プラス、『みんなも一緒に』。

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『夏の風物詩を満喫すること。』……プラス、『みんなも一緒に』。

 

『夏の風物詩を満喫すること。』……プラス、『みんなも一緒に』。

 

……。

 

みんな……。

その言葉がおれの目を覚まさせた。好みじゃないから、性能が微妙だから、男キャラを頑張って引くのはつらい。いろいろな理由で逃げてきた過去がフラッシュバックする。ネフティムの願いである”みんな”を、おれは自ら欠けさせてきてしまった。
アニバーサリーレジス、クリスマスビアンカ……。バレンタインエリヤ。
過去は覆らない。復刻という奇跡を願うことはできても……。
ならばせめて、おれはネフティムの横にいる浴衣レオンを取ろう。

一人で浴衣を着てお祭りにいく。それだとネフティムが寂しいかもしれない。

決意を固め、ガチャのハンドルに手をかける。

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追い90連で天井が溜まったので、天井で取りました。
頼むぞ浴衣レオン、後からJINKENになっておれにイキり散らす権利をくれ!

正直、この時期にサイゲさまのゲームのガチャがいろいろと更新され、『ウマ娘』では”代理”、『プリコネ』では”フェス”が盛り上がり、その熱気に押されてやってしまった。

引かない理由を探すのが人間だとしても、サイゲは引く理由を探させてくれるってワケか。

 

『ワールドフリッパー』から逃げるな。