浅葉のワーフリ日誌35:真夏のクリスマス 

2022年8月2日、18時。
全ゲーマーがスマートフォンに入れているであろう神ゲー『ワールドフリッパー』に、運営からのお知らせメールがもたらされた。今日はなんかのイベントの日だったっけと思いつつ、メールを開くと、そこには”「聖夜のサムライ ソウシロウ」性能調整について”と書かれていた。予告なく静かに近づき、2年とか前に実装された限定キャラクター1体をピンポイントで性能調整する謎ムーブは、熟練のワーフリプレイヤーであっても意図を汲み取ることは難しいだろう。しかも、クリスマスソウシロウは当然、現在排出期間外。クリスマスまで復刻を待ちな!

でも、これは、すべてのキャラクターが活躍する”未来”を目指しての行動だというのかい?だとしたら、おれはこの真夏のクリスマスを歓迎するぜ。

▲運営から突如、怪文書が届いた。

このクリスマスソウシロウというキャラクターは、限定キャラクターの中でもかなり微妙な存在で「持っていてもマジほぼ使う状況がない」まま2年くらいの時が過ぎていた。本作は編成の多様性がほどほどにあるゲームだと思うし、最高レアリティの☆5キャラは性能的にも一芸持っている場合が多く、”最強パーティ”を追求しない場合には、多くの☆5キャラがパーティ構築の選択肢となってくるのだが……。クリスマスソウシロウと、『ぷりんせすこねくと』なるゲームからきたぺコリーヌちゃんは、どうも使い道が見いだせなかったのだ。ぺコリーヌちゃんはkawaiiからいいけどさあ。ソウシロウくんはそういえば恒常の☆4のやつのほうがよく使われてますわよね。

と、まあここまではこういうキャラ調整してくるの、なかなか”おもしれーじゃねーの”みたいな話なのだが、実はこの調整が行われる数日前、おれたち地獄のワーフリ団は、LINEでこんな会話をしていた。


「クリスマスイナホとか今から最強キャラに改造してほしい」

「みんな取ってないでしょ」

そう、おれたちワーフリ団は、所持率の低いキャラクターが強化され、jinken的存在になることを心から望んでいる。みんなが持っていないけれど、自分が持っているキャラクターが強化されたときの快感に酔いしれたいのだ。

このとき、おれは何気なくクリスマスソウシロウの話題を出した。

浅葉「僕はクリスマスソウシロウ推しです。早く最強にしてくれ」

「クリシロウはやばい」

まさにおれは、この瞬間、未来の調整を予知したかのようなコメントを発していたのだった。ピンポイントで調整なんて来るはずがないのに、来てしまった。
この事実を目撃したワーフリ団は、おれと運営の”癒着”を疑い出す始末。

「浅葉さんやっぱ(ワーフリ運営と)”つながってた”んすね」

 

ワーフリ団に、人を信じる気持ちは微塵もない。もはや金すらもらっていることにされかけている。そういえばワーフリのRTプレゼント当てたときも、癒着とか言われたな……。こええ。でも運営からの庇護があるとは思えない最近のガチャ運におれは猛烈に怒っている。もう天井は嫌だ。

ワールドフリッパーから逃げるな。