『メルティブラッド:タイプルミナ』面白すぎ問題

2D格闘ゲームMELTY BLOOD: TYPE LUMINA メルティブラッド:タイプルミナ』(以下『メルブラ』)が異常な面白さをしており、日曜日から『メルブラ』しかしていない。発売前は「攻略コンテンツとかやりたいですな」とか言ってた仲間たちも、トレーニングモードと対戦を行き来する毎日で、”文字を書く”というコマンドが抜け落ちた毎日を過ごしている。『メルブラ』かあー昔ちょっとやったなあみたいなおっさんたちが、毎晩ガチャガチャと明日の仕事を放棄した戦いを繰り広げている。

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メルブラが期待していた56789898302倍くらい面白く、毎晩朝の5時まで対戦しています。

メルブラ』をよく知らない人は、メインビジュアルだけを見て、ああオタク系格闘ゲームね。最近『月姫リメイク』売れたけど、格闘ゲームにもなってるんですねとか考えて、「いやおれは硬派なストリートファイターとか鉄拳とかバーチャファイターやるから……」みたいなスカした態度でいるかもしれないが、このゲーム、バトル部分がハチャメチャにスカっとする面白さをしており、食わず嫌いは勿体ない。『ストリートファイター』とか『鉄拳』とか『バーチャファイター』も面白いけど、『メルブラ』もやろうぜみたいなことがとりあえず言いたい。

食わず嫌い王の方に向けて、安心できる情報を添えておくと、本作の発売元であるディライトワークスの代表取締役カプコンで『ストリートファイター』シリーズを牽引していた小野 義徳氏が務めている。氏はでっかい大会にゲストとして登壇すると「3、2、1ショーリューケン!!!!!!!!」の名フレーズで場を盛り上げてくれたが、いつの日かなにかの間違いでもいいので『メルブラ』では「3、2、1エクスカリバー!!!!!!!!」を見たいです。ぜひお願いします。叫びに行きますから!

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▲『月姫』のキャラクターたちが戦う『メルブラ』最新作が家庭用に登場!ゲストとして『Fate』セイバーも登場する。「ああ、そっち系の格闘ゲームね」とか思ってプレイしないのは勿体ないというか、格闘ゲームから逃げるな。

おれもかつてはゲーセン浸りのカプコン格闘ゲーム育ち、一時期はカプコン格闘ゲームこそ至高の格闘ゲームであると思っていた生意気キッズだったが、最近はいろんな格闘ゲームを遊んでいる。新作でてくれるだけありがたいみたいな心持で、バンナムキャラゲーとかもほぼ全部遊んでいる。『聖闘士星矢』とか『ワンパンマン』とかも遊んだ。つまり最近は概ね対戦仲間がいるだけで楽しめる性質の人間と化しており、「どんな格闘ゲームも楽しそうに遊ぶね」みたいなことを言われたりもするのだが、『メルブラ』は久々に琴線に”キタ”。
過去作の『メルブラ』らしさが残っているので、「やりこんでも古の『メルブラ』プレイヤーに追いつくのは難しいだろうなあ」とか思っていて、ちょっと遊ぶかあくらいのつもりだったのが、 「大して勝ててないのに楽しい」みたいな状態になり、汗をかきながらガチャガチャしている。そして気が付けば、おれの周りの格闘ゲーマーも本作をめちゃくちゃ楽しんでいる。『ギルティギア』でなんか全国大会みたいなの優勝して自称”覇者”のあぶないおっさん、『鉄拳』の著名女性キャラ使いで毎日からあげ食ってる血糖値がやばそうなやつ、『KOF MAXIMUM IMPACT』勢とかもガチャガチャしている。かつてクソゲー5神とか言われた不名誉な称号をもつやつとも一緒に遊んでいるが、これは本作がクソゲーというわけではないので誤解なきよう。

なにがおれたちをこんなにも夢中にさせるのか。それは、『メルブラ』シリーズの伝統であり、本作でわかりやすく爽快に磨きがかかった”シールド”なるシステムの存在だ。ざっと説明すると、シールドは相手の攻撃を受け止め、反撃できるシステムである。『ストリートファイターIII』のブロッキングの亜流みたいなやつで、相手の攻撃を読んでいればバシンと受け止め、そこから発生する専用の反撃技でスコーンと殴り返すことができるやつと思ってもらえばいい。スコーンと殴り返す専用の攻撃技からは当然コンボへとつながり、状況によってはめちゃくちゃなダメージを与えられる。シールド入力はとても簡単で、”シールドボタンを押す”というもの。立ちガード可能攻撃は上段シールド、しゃがみガード可能な攻撃は下段シールドで受け止めることができる。要するにやばいと思ったら下段シールドを擦ればなにか起きたりする。読まれると投げとか中段をくらうというワケですな。

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▲これがシールド、相手の打撃どころか飛び道具とかまで受け止める本作の防御システム。

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▲シールドに成功すると、そこから専用の反撃用打撃を繰り出せる。しかし、この反撃用打撃に対しても、シールドされた側がシールドでとりかえすことが可能。シールドによるラリーはマジで脳汁が出る。

シールドのもうひとつ大きな特徴として、攻撃を繰り出してシールドをとられてしまった側にも、シールドを押し返す権利が与えられているところだ。シールドをとられてなにもしないとそのままシールドから派生する攻撃によって反撃をうけてしまうが、その派生攻撃をシールドで受け止め返すことが可能なのだ。”ハイリターンなシールドに、ハイリターンなシールドへのカウンターがある。”このゲーム設計があまりにも神すぎて、シールドをとるたびにやばい脳内物質が出て、シールドされてもその反撃をまたシールドした瞬間にやばい脳内物質が出る。しかも本作のキャラクターの持つ技ときたら、どれもハイになるアッパー調整で、ほかのゲームなら「この技どうするねん」となるところだが、本作の場合そのアンサーは「シールドすればいい」で9割くらい解決する。(『KOF MAXIMUM IMPACT』にも”さばき”というシステムがあって、シールドを使っているときの気持ちよさはかなり一致している。『KOFMI』スキーならばこのゲームをやれ。)
こういう仕様について書くと、防御システムがハイリターンすぎて運ゲーですねとか言い出すメガネをクイッとするオタクが現れる。激しいゲーム性になるとすぐ運ゲーとかいうやつはストイックに囲碁とか将棋をやるべきだと思うが、なんか格闘ゲーム界隈にはそういうやつが結構いる。しかし、実際強い人を見ていると、このシステムをうまく使いこなし、さらには対策したうえで一定以上の勝率を収めている。そして中級者くらいには、「シールドをうまくつかえば上級者をめちゃくちゃにできるかもしれん……」みたいな希望が芽生える大変すばらしいシステムとなっている。おれとか「浅葉さん、走ってきてシールドぱなしてるだけなんですけど……」とか言われている。運ゲーしてるのオレだったわ……。

そんなわけで、『メルブラ』がいま熱すぎるので格闘ゲーマーには強烈におすすめしておきたい。中級者あたりになると、ちょっとテクニカルなコンボや”仕込み”というOTAKUテクニックが顔を出すので、初心者にもおすすめですとは声を大にして言いにくいが、2D格闘ゲームの対戦でアツくなった経験のある人にはぜひ遊んでほしい。もちろん、ビギナーのためにボタンを何度か押すだけで基本的な空中コンボにつないでくれるシステムなども用意されているので、やる気or殺る気があれば楽しめることは間違いない。おれは初日全然勝てなかったけれど、最近ちょっとだけ勝てるようになってきて嬉しい。

みんなも『メルブラ』やりましょう。

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▲凄まじいスピードバトルの中で飛び交うスゴ技と最強の盾であるシールドの応酬がたまらなくいい。今どきの格闘ゲームにしてはやや線の細いグラフィックだが、これは本作の世界観を表現するにあたりばっちりあっている。あとね、サウンド、これめっちゃいいです。バトル中のサウンドをずっと流しておきたいくらい素敵。
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